能代の縁
『みちのく麺食い記者④〜秋田編〜』(双葉社・年末発売)の取材途中、県北の都市・能代に宿泊。14年前に他界し、同地に眠るかつての同僚を訪ねるためだ。
菩提寺にて元同僚N氏の墓の場所を尋ねると、「共同廟にある」とのこと。複雑な家庭環境で育ったとは聞いていたのだが、お墓がないとは。住職さんに案内され、廟で合掌。
閑話休題。
市内の居酒屋に一人で繰り出し、N氏に献杯。葬儀の時以来の非礼を侘びながら呑んでいると、人の良いマスターが声をかけてくれた。
来訪目的を告げると、マスターと亡きN氏は能代高校の同窓生であることが判明。マスターは仕事そっちのけでN氏と同年代とおぼしき常連さんに電話をかけまくる。
「お客さん、いたよ!」。マスターはなんとN氏の同級生で親友を見つけ出してくれた。しかもこの方が店に来られるという。
店を中座し、同級生の方と再び墓地に。「アイツの墓はこれ。名前彫ってないから、住職さんも間違えたんだろう」。
チェーンスモーカーだったN氏のため、墓前に煙草をそなえワンカップを墓石に。「相変わらず慌てもんだなぁ」。煙草をブカブカふかしながら、N氏が笑っているような気がした能代の夜だった。
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