昨晩15日の米NY株価が再び急落。
同国小売売上高急減のショックだそうだ。
一連の金融危機は、米国政府による個別行への
強制資本注入で一段落ついた、と酩酊作家はみる。
が、株価下落はこれから本格化する。まだ序の口なのだ。
ここ1カ月の世界的な株価急落劇を怪我人に例えると、
なぜこれから一層の下落が起こるのかが見えてくる。
先週までは、「アメリカ」や「欧州」という怪我人が
ERに担ぎ込まれた状態だった。
ERの担当医師は、大量失血(金融機関の資本が毀損
している状態)をみて、緊急輸血を決めた。
とりあえずの輸血を施したあと、他の病気を持っていないか
を検査したところ、あちこちに綻びがあることが判明した。
それが昨晩のNY市場だ。
これから怪我人(病人でもある)の根本治療を始める、
という段階。昨日の米小売売上高は、検査でみつかった異様な
低血圧のようなものだ。
金融という血液が巡らなかったことで起こった一連の株価下落。
公的資金という輸血を施し、なんとか人体そのものが死ぬ事は
回避した。しかし、これから、低血圧やら肝臓病、胃腸病の治療
が始まるのだ。
ちなみに、小売売上高は先月のデータを集計したもの。
足元の数値はより一層悪化しているのは明白だ。
所詮、アメリカの事というなかれ。
統計の粗データには、多数の日本製品がカウントされている。
今までは米国の金融恐慌発の株価下落だったが、今後は、米国消費の
落ち込みをもろに受ける形で、日本企業の業績が圧迫される。
すなわち、日本の株価の下落は、これから本格化するのだ。
手元に数日前の取材メモがある。
米国の年末商戦を控え、日本企業の生産や在庫動向を詳細に綴ったものだ。
ディープなネタ元から入手したデータだ。
正直なところ、ひっくり返った。ものすごく内容が悪いのだ。
近々、日刊ゲンダイで連載中のコラム『相場英雄・マネーの深層』
http://gendai.net/?m=list&g=syakai&c=020&s=182にて詳細を展開する予定だ。
金融危機は終わっても、今度は景気後退というボディーブローが効いてくる。